最近、カギを換えたいというお客様の動機が、以前と変わってきました。
少し前までは
「引越しをしたので」
「防犯性の強い鍵にしたいので」
が多かったのですが、最近、特に昨年の暮れからは
「引ったくりに遭ってしまって」
「置き引きに遭って」
「近くで、空き巣が入ってので」
と、犯罪に絡むカギの交換が多くなりました。
僕の店のある地域は今までは、そんなに治安の悪い地域ではありませんでした。ですが最近では、上記の犯罪以外に、子供がエアガンで撃たれたり、子供がさらわれそうになったりしたということを、よく聞きます。
犯罪が僕の住んでいる地域も治安が悪くなってきています。
治安が悪くなっているにもかかわらず、時代と逆行している流れがあります。最近のマスコミの報道です。
数日前に、バンプキーについての特集がありました。朝早くです。
バンプキーを用いての解錠方法については、昨年の夏ごろにすでにインターネットを通じて知ってました。おそらくいずれ、マスコミで又、カム送り、サムターン回しなどと同等に報道されるだろうと思っておりましたら、案の定ワイドショーで放映されました。
いったい、マスコミはどういうつもりで放映しているのでしょうか?
僕は、バンプキーという方法を放映したからといって、単純にバンプキーによる犯罪が発生、増加するとは思いません。バンプキーを一般の人が手に入れることはほとんどありえないですし、広まることも考えられません。ピッキングのピックほど、簡単に作れるものではないですし、サムターン回しほど理にかなった手口ではないですし、焼き破りほどわかりやすい手口ではないからです。
こんな犯罪の手口を放送して、利益を得るのはテレビ局くらいです。犯罪の手口を放送する代償に、視聴率を獲得しようとするそのモラルの無さに嫌悪を感じます。こんな放送は一般視聴者の不安を煽り立てるだけのものです。
もし、「このような犯罪の手口があるから、このように対策をしましょう」と啓蒙の意味で放送するのであれば、国営放送であるNHKで放送すべきです。バンプキーのように治安、安全にかかわる事案を、興味本位で放送すべきではありません。ましてや特定のシリンダーのみが、安全であるというような放送をすべきではありません。
治安、安全にかかわることで、国民の不安や恐怖をそそるような放送をして、視聴率を稼ごうとするのなら、まだワイセツ画像を放送するほうがよっぽどましです。それほど、犯罪の手口を放送して国民の不安を煽る事はモラルに反すると思うのです。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い ではありませんが、この手の犯罪に関する放送がされるときには必ず出てきてコメントする、メガネをかけたあの おっさん を見るたびに、マスコミのモラルの低さを感じるカギ屋は、僕だけではないと思います。
2007年05月01日
2006年10月28日
奇跡的な偶然
僕の店は一年に一回親睦会をいたします。親睦会には、スタッフのほかにお世話になっている方を呼びます。
そのときは、いつも高度な鍵の仕事をお願いしている錠前師のYさんと一緒に親睦会をしていました。Yさんは仕事をそのときはお休みして親睦会に来てくださいました。
某有名中華料理店で会食をしておりました。この店はたくさんの有名人がお忍びで来る有名店で、オーナーの方もよくテレビに出ていました。
乾杯をして、しばらくして場が和んだ頃でした。携帯の着信音が鳴りました。Yさんの携帯でした。
Yさんは、この会食の雰囲気を壊したくないという心遣いで、少し離れて小さい声で会話をしておりました。小さい声で会話をしていると、Yさんの心とはうらはらに僕は会話の内容がものすごく気になりました。どうやら、同業者からの仕事の依頼のようでした。
Yさんも僕も仕事を1番に考えているので、もしYさんが仕事に行かれるのならそれはそれで当然だと思っていました。
Yさんは、はじめはゆっくりしたやさしい口調でしたが、だんだん声が大きくなり、激しい口調になり、早口になり、最後は「それは本当に偶然ですので、そのまま車の工場に行かれたほうがいいですよ!」といって電話を切りました。
僕は、Yさんにどんな電話だったのか聞きました。
あるお客様が、車のイグニッション(エンジンをかけるカギの部分)に誤って家のカギをさしてしまったそうです。それが抜けなくなってヘルプを頼んだ、というなら一般的だったのですが、カギがそのままささってまわって、エンジンがかかったというのです。しかしエンジンはかかっても、カギは抜けないとのことでした。
こういうケースでは、カギ屋が現場に行っても何もできません。というより、お客様もそのまま車の工場に行けばズバッと解決でした。しかし、気が動転していると人間は正常な判断はできないものです。
人の世はカギに似ています。
見た目には合いそうもない人と人が、実は相性が良かったり、1つの事柄でぴったり合ったりするものです。
しかし、見たところ完全に合いそうなのに、どうしても合わなかったりするものです。
考えてみれば、人と人は、お互いに弱点や欠点を補いながら支えているのです。
カギは、人の世の縮図かもしれません。
そのときは、いつも高度な鍵の仕事をお願いしている錠前師のYさんと一緒に親睦会をしていました。Yさんは仕事をそのときはお休みして親睦会に来てくださいました。
某有名中華料理店で会食をしておりました。この店はたくさんの有名人がお忍びで来る有名店で、オーナーの方もよくテレビに出ていました。
乾杯をして、しばらくして場が和んだ頃でした。携帯の着信音が鳴りました。Yさんの携帯でした。
Yさんは、この会食の雰囲気を壊したくないという心遣いで、少し離れて小さい声で会話をしておりました。小さい声で会話をしていると、Yさんの心とはうらはらに僕は会話の内容がものすごく気になりました。どうやら、同業者からの仕事の依頼のようでした。
Yさんも僕も仕事を1番に考えているので、もしYさんが仕事に行かれるのならそれはそれで当然だと思っていました。
Yさんは、はじめはゆっくりしたやさしい口調でしたが、だんだん声が大きくなり、激しい口調になり、早口になり、最後は「それは本当に偶然ですので、そのまま車の工場に行かれたほうがいいですよ!」といって電話を切りました。
僕は、Yさんにどんな電話だったのか聞きました。
あるお客様が、車のイグニッション(エンジンをかけるカギの部分)に誤って家のカギをさしてしまったそうです。それが抜けなくなってヘルプを頼んだ、というなら一般的だったのですが、カギがそのままささってまわって、エンジンがかかったというのです。しかしエンジンはかかっても、カギは抜けないとのことでした。
こういうケースでは、カギ屋が現場に行っても何もできません。というより、お客様もそのまま車の工場に行けばズバッと解決でした。しかし、気が動転していると人間は正常な判断はできないものです。
人の世はカギに似ています。
見た目には合いそうもない人と人が、実は相性が良かったり、1つの事柄でぴったり合ったりするものです。
しかし、見たところ完全に合いそうなのに、どうしても合わなかったりするものです。
考えてみれば、人と人は、お互いに弱点や欠点を補いながら支えているのです。
カギは、人の世の縮図かもしれません。
2006年08月27日
商品開発の難しさ
5年ほど前に、そのマンションは防犯性の高いカギに全室交換いたしました。マスターキーシステムにしたそうです。
そのマンションは、学生専用のマンションです。
住人が卒業する度に、又、住人がカギを紛失したり盗難にあう度にカギ交換をします。
マスターキーシステムのカギ交換となると、そのマスターキーに合うように、新しいカギをメーカーから取り寄せます。取り寄せる際は、必要事項(物件名、マスターキー番号など)を書き込んで注文いたします(僕の店は、メーカーと直接の取引はありませんので、問屋さん経由で注文します)。
通常は2〜3週間で店に届いて、それを交換して めでたしめでたし となります。
このマンションについているカギは、かなり防犯性の高いカギです。世間並みには人気があっての良さそうなカギです。
しかし、カギ屋さんでもこのカギのマスターキーシステムを見たことのない方が多いと思います。普通の交換用シリンダーと、マスターキーシステムのシリンダーでは、同メーカー、同名称でありながら、キーウェイが違います。マスターキーシステム専用に、シリンダーが開発されているのです。
このマンションのカギ交換をしたのは、あるカギ屋さんでしたが、廃業されました。縁があって僕が引き継いでカギのアフターフォローをさせていただいておりますが、このカギの取り換えの依頼が来ると、いつも気が重いです。
必要事項を書いて問屋さんに発注するのですが、納期が極端に遅いのです。
問屋さんに聞くと
「このメーカーの、このカギはマスターキーシステムをしているところがほとんどないので、新たにマスターキーシステムのシリンダーを作ることになると、そのラインを一から組むことになるので、メーカーもてんやわんやになる」というのです。
こんな調子だから、納期が通常の3倍ほどかかります。
お客様(大家さんや住人)は「早く!」と僕に言ってこられ、
僕は問屋さんに「早く!」とせがみ
問屋さんはメーカーに「早く!」とお願いするのですが
メーカーは「てんやわんや」になります。
防犯性が高いカギでも、人気がないカギは、お客様、販売店、問屋、メーカーのストレスの塊になります。
このカギの交換をしながら、いつも商品開発の難しさを感じております。
そのマンションは、学生専用のマンションです。
住人が卒業する度に、又、住人がカギを紛失したり盗難にあう度にカギ交換をします。
マスターキーシステムのカギ交換となると、そのマスターキーに合うように、新しいカギをメーカーから取り寄せます。取り寄せる際は、必要事項(物件名、マスターキー番号など)を書き込んで注文いたします(僕の店は、メーカーと直接の取引はありませんので、問屋さん経由で注文します)。
通常は2〜3週間で店に届いて、それを交換して めでたしめでたし となります。
このマンションについているカギは、かなり防犯性の高いカギです。世間並みには人気があっての良さそうなカギです。
しかし、カギ屋さんでもこのカギのマスターキーシステムを見たことのない方が多いと思います。普通の交換用シリンダーと、マスターキーシステムのシリンダーでは、同メーカー、同名称でありながら、キーウェイが違います。マスターキーシステム専用に、シリンダーが開発されているのです。
このマンションのカギ交換をしたのは、あるカギ屋さんでしたが、廃業されました。縁があって僕が引き継いでカギのアフターフォローをさせていただいておりますが、このカギの取り換えの依頼が来ると、いつも気が重いです。
必要事項を書いて問屋さんに発注するのですが、納期が極端に遅いのです。
問屋さんに聞くと
「このメーカーの、このカギはマスターキーシステムをしているところがほとんどないので、新たにマスターキーシステムのシリンダーを作ることになると、そのラインを一から組むことになるので、メーカーもてんやわんやになる」というのです。
こんな調子だから、納期が通常の3倍ほどかかります。
お客様(大家さんや住人)は「早く!」と僕に言ってこられ、
僕は問屋さんに「早く!」とせがみ
問屋さんはメーカーに「早く!」とお願いするのですが
メーカーは「てんやわんや」になります。
防犯性が高いカギでも、人気がないカギは、お客様、販売店、問屋、メーカーのストレスの塊になります。
このカギの交換をしながら、いつも商品開発の難しさを感じております。
2006年08月23日
正義は勝つ!
僕の店は合鍵作製がかなりの売り上げのウエイトを占めます。
お客様のお持ちになられるカギの種類によって、合鍵作製のためのマシーン(キーマシーン)が異なるため、僕の店のキーマシンは1台ではありません。僕の車に搭載しているものも含めると8台あります(少し自慢です)。
各キーについて適切なキーマシンで合鍵を作製することにより作り直しや返品を最小限に抑えるためです。何よりも、作り直しや返品のためにお客様が店に来るために御足労いただかないよう、いつも心がけております。おかげさまでほとんど作り直しや返品はありません。
2ヶ月ほど前の話ですが、僕の店で合鍵を作ったというお客様が
「これ、ここで作ってもらったんやけど、回らんかったんで作り直してくれるか?」と、ここで作ったという合鍵と、一本の元カギを持ってこられました。僕はもちろん作り直すつもりで、両方をお預かりいたしました。
(あれっ、これは僕の店で切ったものじゃない)
明らかに僕の店で切ったものではありませんでした。
お客様には失礼だったのですが「これは、本当にこちらで作ったものですか?」と尋ねました。
「間違いない。ここで作ったんや。ここでしかカギは作ってへん」と自信満々におっしゃられました。
そのカギは山の高さが合っていませんでした。明らかに深く作っていました。
このお客様のお持ちになられたカギは、僕が一番神経を使う極めて精度の高いカギでした。僕はこの種類のカギの合鍵を作るためだけに、専用のキーマシンを購入しておりました。
僕は明らかに山の高さが異なるカギを作ったと思われたことが屈辱でした。
しかし、そのカギは僕の店で使っているブランクキーのメーカーと一緒だったので、僕の店で作ったものではないという決定的な証拠を示すことはできませんでした。
結局、新しい合鍵を作ってお渡ししました。
「このお客様は、お持ちになられた合鍵が、この店で作ったものではないことを気付いてくれるだろうか?もし気付いてくれても、もう一度こちらに来て間違いだったことを認めてくれるだろうか?」と心の中で思っていました。
それから一週間ぐらいして、そのお客様がお越しになられました。
「兄ちゃん、よう考えたら前のカギ、ここで作ったもんと違うかったわ。前のカギは○○で作ったもんやったわ。迷惑かけたな。ごめんな」
僕は前の合鍵が僕の店で作ったものでないという自信がありました。ただ単に「僕の店は開かないカギは作らない」といったような精神論、プライドではありません。
それは、お持ちになられた合鍵は、僕の店で使うキーマシンと明らかに違う「刃」を使って作製されていたからです。キーマシンの「刃」の形によって、ある部分の切り口が、僕の店で使うキーマシンの切り口と異なっていたのです。
この方がわざわざ、このことをいうために僕の店にお越しいただいたこと、その誠実さが嬉しくて、僕は新たに作ったカギのお代金をいただくのをすっかり忘れて「ありがとうございました」を何回も繰り返していました。
僕はその日
「来るなら来い!正義は勝つ!」と、少年の頃に憧れたヒーローのような気分に浸ってました。
お客様のお持ちになられるカギの種類によって、合鍵作製のためのマシーン(キーマシーン)が異なるため、僕の店のキーマシンは1台ではありません。僕の車に搭載しているものも含めると8台あります(少し自慢です)。
各キーについて適切なキーマシンで合鍵を作製することにより作り直しや返品を最小限に抑えるためです。何よりも、作り直しや返品のためにお客様が店に来るために御足労いただかないよう、いつも心がけております。おかげさまでほとんど作り直しや返品はありません。
2ヶ月ほど前の話ですが、僕の店で合鍵を作ったというお客様が
「これ、ここで作ってもらったんやけど、回らんかったんで作り直してくれるか?」と、ここで作ったという合鍵と、一本の元カギを持ってこられました。僕はもちろん作り直すつもりで、両方をお預かりいたしました。
(あれっ、これは僕の店で切ったものじゃない)
明らかに僕の店で切ったものではありませんでした。
お客様には失礼だったのですが「これは、本当にこちらで作ったものですか?」と尋ねました。
「間違いない。ここで作ったんや。ここでしかカギは作ってへん」と自信満々におっしゃられました。
そのカギは山の高さが合っていませんでした。明らかに深く作っていました。
このお客様のお持ちになられたカギは、僕が一番神経を使う極めて精度の高いカギでした。僕はこの種類のカギの合鍵を作るためだけに、専用のキーマシンを購入しておりました。
僕は明らかに山の高さが異なるカギを作ったと思われたことが屈辱でした。
しかし、そのカギは僕の店で使っているブランクキーのメーカーと一緒だったので、僕の店で作ったものではないという決定的な証拠を示すことはできませんでした。
結局、新しい合鍵を作ってお渡ししました。
「このお客様は、お持ちになられた合鍵が、この店で作ったものではないことを気付いてくれるだろうか?もし気付いてくれても、もう一度こちらに来て間違いだったことを認めてくれるだろうか?」と心の中で思っていました。
それから一週間ぐらいして、そのお客様がお越しになられました。
「兄ちゃん、よう考えたら前のカギ、ここで作ったもんと違うかったわ。前のカギは○○で作ったもんやったわ。迷惑かけたな。ごめんな」
僕は前の合鍵が僕の店で作ったものでないという自信がありました。ただ単に「僕の店は開かないカギは作らない」といったような精神論、プライドではありません。
それは、お持ちになられた合鍵は、僕の店で使うキーマシンと明らかに違う「刃」を使って作製されていたからです。キーマシンの「刃」の形によって、ある部分の切り口が、僕の店で使うキーマシンの切り口と異なっていたのです。
この方がわざわざ、このことをいうために僕の店にお越しいただいたこと、その誠実さが嬉しくて、僕は新たに作ったカギのお代金をいただくのをすっかり忘れて「ありがとうございました」を何回も繰り返していました。
僕はその日
「来るなら来い!正義は勝つ!」と、少年の頃に憧れたヒーローのような気分に浸ってました。
2006年08月17日
最悪の仕事は最悪のタイミングでやってくる
カギをあける際の工具、解錠工具はいくつかの種類があります。
ピッキングに代表されるピック、車の解錠で使われるオープニングツール(差金みたいな物)など、現場の状況、シリンダーの種類によってカギ屋は解錠工具を選択します。
特定のシリンダーに使用される専用の解錠工具に、トライアウトキーというものがあります。その鍵穴に入るキーが予め用意されており、そのどれかで解錠できるというものです。
トライアウトキーを使用する代表的なものに、米国GM社の6カットシリンダーがあります。このトライアウトキーを使って解錠をした事がありました。最悪の仕事は最悪のタイミングでやってくる、ということを実感した仕事でした。
2月の雨の降っている日でした。
その日は特に寒く、又、僕は風邪気味だったのでスタッフに店を任せて家に帰ろうとしていました。
若い夫婦が「インロックしてしまいました。すぐそこなんですけれど・・」と店にやってきました。店から近い場所でのインロック解錠ということで「すぐに伺います。ご安心ください」と返事をしました。普通の国産車なら短時間で解錠ができます。その夫婦は安心した様子で「ありがとうございます」といってくれました。
まず、車種の確認のためにお車まで案内していただきました。外車でした。いかつい車でした。カギはGMの6カットシリンダーでした。
「しまった!」と思いました。
鍵穴にトライアウトキーを1つずつ挿して、試していくという作業をするだけですが、それにかかる時間は、最初の1個目で解錠できることもあれば、最後の1個で解錠する場合もあります。又、GMの6カットシリンダーに関しては、トライアウトキーでの解錠率は100%ではありません。解錠できないこともあります。つまり、持久戦になる可能性があるのです。
特に寒い上に雨が降っており、風邪気味だったので、僕は悪いほう悪いほうに考えてしまいました。大体、悪いことは重なるものなのです。
予感は当たりました。持久戦になりました。
雨に降られて、時間が経つにつれ熱が上がっていくのがわかりました。鼻の奥とのどが痛くなり、どんどん腫れてくるのがわかりました。だんだん息苦しくなってきました。こんなときはなぜか雨も強くなってくるのです。一通りのキーを試しましたが解錠できずに、2回目のトライをしました。もう完全に僕はびしょぬれでした。
結局、2回目のトライの何十本目かで解錠はできましたが40分かかりました。どうして1回目で解錠できなかったのか、ということを考える余裕もありませんでした。ただ「悪いことは重なる」という自信がますますつきました。
次の日、お医者さんに診てもらいました。
風邪ではなくインフルエンザでした。僕は「ホレ見てみぃ!ただの風邪じゃなかったやろが!思った通りや!また勝った!!」と、心ではガッツポーズをしたまま自信満々で4日間寝込みました。
僕は、暗い人間でしょうか?
ピッキングに代表されるピック、車の解錠で使われるオープニングツール(差金みたいな物)など、現場の状況、シリンダーの種類によってカギ屋は解錠工具を選択します。
特定のシリンダーに使用される専用の解錠工具に、トライアウトキーというものがあります。その鍵穴に入るキーが予め用意されており、そのどれかで解錠できるというものです。
トライアウトキーを使用する代表的なものに、米国GM社の6カットシリンダーがあります。このトライアウトキーを使って解錠をした事がありました。最悪の仕事は最悪のタイミングでやってくる、ということを実感した仕事でした。
2月の雨の降っている日でした。
その日は特に寒く、又、僕は風邪気味だったのでスタッフに店を任せて家に帰ろうとしていました。
若い夫婦が「インロックしてしまいました。すぐそこなんですけれど・・」と店にやってきました。店から近い場所でのインロック解錠ということで「すぐに伺います。ご安心ください」と返事をしました。普通の国産車なら短時間で解錠ができます。その夫婦は安心した様子で「ありがとうございます」といってくれました。
まず、車種の確認のためにお車まで案内していただきました。外車でした。いかつい車でした。カギはGMの6カットシリンダーでした。
「しまった!」と思いました。
鍵穴にトライアウトキーを1つずつ挿して、試していくという作業をするだけですが、それにかかる時間は、最初の1個目で解錠できることもあれば、最後の1個で解錠する場合もあります。又、GMの6カットシリンダーに関しては、トライアウトキーでの解錠率は100%ではありません。解錠できないこともあります。つまり、持久戦になる可能性があるのです。
特に寒い上に雨が降っており、風邪気味だったので、僕は悪いほう悪いほうに考えてしまいました。大体、悪いことは重なるものなのです。
予感は当たりました。持久戦になりました。
雨に降られて、時間が経つにつれ熱が上がっていくのがわかりました。鼻の奥とのどが痛くなり、どんどん腫れてくるのがわかりました。だんだん息苦しくなってきました。こんなときはなぜか雨も強くなってくるのです。一通りのキーを試しましたが解錠できずに、2回目のトライをしました。もう完全に僕はびしょぬれでした。
結局、2回目のトライの何十本目かで解錠はできましたが40分かかりました。どうして1回目で解錠できなかったのか、ということを考える余裕もありませんでした。ただ「悪いことは重なる」という自信がますますつきました。
次の日、お医者さんに診てもらいました。
風邪ではなくインフルエンザでした。僕は「ホレ見てみぃ!ただの風邪じゃなかったやろが!思った通りや!また勝った!!」と、心ではガッツポーズをしたまま自信満々で4日間寝込みました。
僕は、暗い人間でしょうか?
2006年08月05日
カギのメンテナンスについて
カギのメンテナンスについてお話いたします。
カギは、時間を経ると回りにくくなったり、抜き差しがスムーズにいかなくなることがあります。特にピッキングに強い精密なカギは要注意です。
一般には、カギが回りにくくなるのは、ゴミが鍵穴に入ることが考えられます。ゴミといっても、粉塵が鍵穴に入って回りにくくなります。また、長年カギを使ってますと、カギとキーの摩擦による磨耗で、かみあわせが悪くなり、回りにくくなります(カギとキーが合わなくなるのです)。
ゴミ、粉塵は鍵穴に入って回りにくくなることについては、いろいろな対処方法があります。キーを鉛筆でなぞったり、潤滑剤を注入したりとありますが、僕は、一度脱脂洗浄剤を注入した後に、粉体ボロンをふります(現在では、両方一緒になっている便利な鍵穴洗浄剤があります)。大体一発で、カギはよく回るようになります。
長年カギを使用していて、回りにくくなったものについては(潤滑剤で回ることもありますが)、なかなかもとには戻りません。この場合はカギを取り替えるのが一番だと思います。
余談ですが、車のメーカーの代表的なカギが、長年使っていると回りにくくなることが多いです(薄いからです)。また、住宅用のカギは、キーによって取り付けられた年代がわかるものがあります。かなり古いものだと、お客様には取換えをお勧めいたします(このまま使用されていると、ある日突然、カギが回らなくなる可能性があるからです)。
これ以外にも、キーがやわらかい材質でできていて、少しのダメージ(キーの先がダメージを受ける)で、鍵穴に差しにくくなるものがあります(防犯性は高い外国製のカギですが)。
カギによって、カギのメンテナンスは異なります。もし今、家のカギが回りにくくなっていたり、抜き差しがスムーズでない場合は、すぐにカギ屋さんに相談してみてください。無理に使っていると、本当に回らなくなったり、キーが折れたり、また、カギによっては、市販の潤滑剤で対応ができないものもありますので、間違った対処をすると、後々大変なことになります。
カギ屋さんは、お客様の声を心からお待ちしております。
カギは、時間を経ると回りにくくなったり、抜き差しがスムーズにいかなくなることがあります。特にピッキングに強い精密なカギは要注意です。
一般には、カギが回りにくくなるのは、ゴミが鍵穴に入ることが考えられます。ゴミといっても、粉塵が鍵穴に入って回りにくくなります。また、長年カギを使ってますと、カギとキーの摩擦による磨耗で、かみあわせが悪くなり、回りにくくなります(カギとキーが合わなくなるのです)。
ゴミ、粉塵は鍵穴に入って回りにくくなることについては、いろいろな対処方法があります。キーを鉛筆でなぞったり、潤滑剤を注入したりとありますが、僕は、一度脱脂洗浄剤を注入した後に、粉体ボロンをふります(現在では、両方一緒になっている便利な鍵穴洗浄剤があります)。大体一発で、カギはよく回るようになります。
長年カギを使用していて、回りにくくなったものについては(潤滑剤で回ることもありますが)、なかなかもとには戻りません。この場合はカギを取り替えるのが一番だと思います。
余談ですが、車のメーカーの代表的なカギが、長年使っていると回りにくくなることが多いです(薄いからです)。また、住宅用のカギは、キーによって取り付けられた年代がわかるものがあります。かなり古いものだと、お客様には取換えをお勧めいたします(このまま使用されていると、ある日突然、カギが回らなくなる可能性があるからです)。
これ以外にも、キーがやわらかい材質でできていて、少しのダメージ(キーの先がダメージを受ける)で、鍵穴に差しにくくなるものがあります(防犯性は高い外国製のカギですが)。
カギによって、カギのメンテナンスは異なります。もし今、家のカギが回りにくくなっていたり、抜き差しがスムーズでない場合は、すぐにカギ屋さんに相談してみてください。無理に使っていると、本当に回らなくなったり、キーが折れたり、また、カギによっては、市販の潤滑剤で対応ができないものもありますので、間違った対処をすると、後々大変なことになります。
カギ屋さんは、お客様の声を心からお待ちしております。
2006年08月03日
カギ屋になりたい方へ
お客様からよく聞かれる質問があります。
「カギ屋さんになるには、免許がいるんでしょう?」
「カギ屋さんは資格がいるんでしょう?」
お客様は、カギ屋になるためには、何か特別な資格がなければならないと思ってられる方が大勢いらっしゃる、というより、ほとんど全てがカギ屋は免許がなければならないとなれないと思っていらっしゃるようです。
社会の安全、犯罪を防止するという重要な社会的使命を背負う「カギ屋」には、その技術を操る責任がありますので、お客様がそう考えられるのは当然のことだと思います。
結論を言えば、法律、条例の上では、カギ屋には何の制限もなく、極端に言えば技術がなくても、度胸と資金さえあれば「カギ屋の看板を揚げる」ことはできます(一部、免許制にするという動きは、地方公共団体によってはあるようですが)。
でも、「カギ屋の看板を揚げる」ということと、「カギ屋になる」ということは、全く異なります。
確かに、「カギ屋の看板を揚げる」ことについては、法律上では何の制限もなく、各関係機関の許可、承認、届出などは必要なく、老若男女、年齢制限はありません。ある意味では、露天商をするよりもはるかに自由です。
ただ、カギ屋を職業として考える場合、絶対とは言いませんが必要な条件があります。それは「カギへの興味」「カギが好き」ということです。
カギの技術、つまり錠前技術は、興味がなければ上達しません(これはあらゆる職業にもいえることですが)。それに加えて、技術を持ったとしてもそれを職業として利益を上げるためには、宣伝、営業トークなど、技術とは別に相当の投資、努力を積まなければなりません。結果は急に出るものではなく、かなりの忍耐力を必要とします。
ピッキング犯罪が急増して、カギ屋が乱立しましたが、廃業するカギ屋が急激に増えています。又、合鍵作製などは、ホームセンターなどでも増えてきていますので、現在、カギ屋の供給過剰だといえます。
これらのことを踏まえた上で、なおかつ「カギに興味がある」「カギ屋になりたい」と思う方のみ、カギ屋を職業として成功する可能性があります。
ただ、「なんとなく」「やることがないから」と思うのなら、カギ屋にはならないほうがいいと思います。
たまたま、開業場所がよければ成功するかも知れません。それはそれでいいことですが、お客様の要望に応えられるだけの技術を習得するには、やはり「カギへの興味」「カギが好き」という心が必要なのです。
僕を、カギ屋として支えたものは(まだ若輩者ですが)、やる気 体力 根性などではなく「カギへの興味」でした。
誰でも看板を揚げることのできる「カギ屋」は、「カギ屋」になった後に試練が待っています。その試練は「カギへの興味」「カギが好き」という気持ちによってのみ超えることができると思います。
「カギ屋さんになるには、免許がいるんでしょう?」
「カギ屋さんは資格がいるんでしょう?」
お客様は、カギ屋になるためには、何か特別な資格がなければならないと思ってられる方が大勢いらっしゃる、というより、ほとんど全てがカギ屋は免許がなければならないとなれないと思っていらっしゃるようです。
社会の安全、犯罪を防止するという重要な社会的使命を背負う「カギ屋」には、その技術を操る責任がありますので、お客様がそう考えられるのは当然のことだと思います。
結論を言えば、法律、条例の上では、カギ屋には何の制限もなく、極端に言えば技術がなくても、度胸と資金さえあれば「カギ屋の看板を揚げる」ことはできます(一部、免許制にするという動きは、地方公共団体によってはあるようですが)。
でも、「カギ屋の看板を揚げる」ということと、「カギ屋になる」ということは、全く異なります。
確かに、「カギ屋の看板を揚げる」ことについては、法律上では何の制限もなく、各関係機関の許可、承認、届出などは必要なく、老若男女、年齢制限はありません。ある意味では、露天商をするよりもはるかに自由です。
ただ、カギ屋を職業として考える場合、絶対とは言いませんが必要な条件があります。それは「カギへの興味」「カギが好き」ということです。
カギの技術、つまり錠前技術は、興味がなければ上達しません(これはあらゆる職業にもいえることですが)。それに加えて、技術を持ったとしてもそれを職業として利益を上げるためには、宣伝、営業トークなど、技術とは別に相当の投資、努力を積まなければなりません。結果は急に出るものではなく、かなりの忍耐力を必要とします。
ピッキング犯罪が急増して、カギ屋が乱立しましたが、廃業するカギ屋が急激に増えています。又、合鍵作製などは、ホームセンターなどでも増えてきていますので、現在、カギ屋の供給過剰だといえます。
これらのことを踏まえた上で、なおかつ「カギに興味がある」「カギ屋になりたい」と思う方のみ、カギ屋を職業として成功する可能性があります。
ただ、「なんとなく」「やることがないから」と思うのなら、カギ屋にはならないほうがいいと思います。
たまたま、開業場所がよければ成功するかも知れません。それはそれでいいことですが、お客様の要望に応えられるだけの技術を習得するには、やはり「カギへの興味」「カギが好き」という心が必要なのです。
僕を、カギ屋として支えたものは(まだ若輩者ですが)、やる気 体力 根性などではなく「カギへの興味」でした。
誰でも看板を揚げることのできる「カギ屋」は、「カギ屋」になった後に試練が待っています。その試練は「カギへの興味」「カギが好き」という気持ちによってのみ超えることができると思います。
2006年07月31日
タウンページの効用
カギ屋になって、売り上げを上げるために一番苦労したのは「知名度」を上げることです。僕はカギ屋を始めた当初は無店舗だったので、宣伝方法に関しては最重要課題でした。
カギ屋になりたての頃、僕はタウンページ、ホームページ、ポスティング、又、知人からの紹介(紹介手数料を支払う)などいろいろチャレンジいたしました。
カギや錠前技術を扱う仕事の性質上、もっとも効果的だと思われる宣伝方法は、
@地域に密着している
A誰でもアクセスの方法を知っている
B信用がある
Cどこでもアクセスできる
などの理由で「タウンページ」が一番だと思われます。
でも真相はどうでしょう?
僕は店を出してから「タウンページ」に広告はうっておりません(一行の名前と住所、電話番号が載っているだけで、広告は打っておりません)。
店を構えていない頃は、名刺大の大きさの広告を出しておりましたが、一年でタウンページを頼ってきたお客様は、ほんの数名でした。
一年だけでタウンページに広告を出すことをやめたので、あまりえらそうにいうことはできませんが、他のカギ屋に聞くとほとんどが
「タウンページに出すのなら、カギのカテゴリーの一番前に、一ページ出すこと。それが一番効率的だ」といいます。
宣伝は、必要とされる場所、時間にいかに目立つか、が勝負になります。「露出度」なのです。店を構えるにしても、ただ安い場所に出すだけでは売り上げは上がりません。人がたくさん集まるところ、人目につくところ、その業種の必要とされる場所、をいかに確保するかが売り上げを左右します。
「目立つところに、大きく出す」は、タウンページでも店舗でも、大きな投資となります。投資した広告料、家賃の見返りがあるかないかは、実際にやってみないと結果がでないです。本当に博打です。
最近の動向を見てますと(カギ屋によって様々ですが)、タウンページよりもインターネットからの依頼が多くなったそうです(僕の店はホームページを持っておりませんので、比較はできません)。もっとも、緊急にインターネット検索できないような状況(インロック、キー紛失など)では、タウンページが有用ではあるとのことですが。
安易に、目立つ場所に大きく出すだけでは、売り上げをとることが難しくなりました。錠前技術以外に宣伝技術が求められる時代になったと同時に、インターネットの普及により、宣伝技術が卓越していれば、投資額が少なくても効率のよいビジネスができるようになったということでしょうか。
ただ、宣伝技術のみ卓越し、錠前技術のない「衣のみの天麩羅」のようなカギ屋につかまらないように、消費者にも「見抜く技術」が求められるようになりました。
消費者の「見抜く技術」の重要さは、カギ業界に対してのみではなく、社会全体のあらゆる業界に対していえることですね。
カギ屋になりたての頃、僕はタウンページ、ホームページ、ポスティング、又、知人からの紹介(紹介手数料を支払う)などいろいろチャレンジいたしました。
カギや錠前技術を扱う仕事の性質上、もっとも効果的だと思われる宣伝方法は、
@地域に密着している
A誰でもアクセスの方法を知っている
B信用がある
Cどこでもアクセスできる
などの理由で「タウンページ」が一番だと思われます。
でも真相はどうでしょう?
僕は店を出してから「タウンページ」に広告はうっておりません(一行の名前と住所、電話番号が載っているだけで、広告は打っておりません)。
店を構えていない頃は、名刺大の大きさの広告を出しておりましたが、一年でタウンページを頼ってきたお客様は、ほんの数名でした。
一年だけでタウンページに広告を出すことをやめたので、あまりえらそうにいうことはできませんが、他のカギ屋に聞くとほとんどが
「タウンページに出すのなら、カギのカテゴリーの一番前に、一ページ出すこと。それが一番効率的だ」といいます。
宣伝は、必要とされる場所、時間にいかに目立つか、が勝負になります。「露出度」なのです。店を構えるにしても、ただ安い場所に出すだけでは売り上げは上がりません。人がたくさん集まるところ、人目につくところ、その業種の必要とされる場所、をいかに確保するかが売り上げを左右します。
「目立つところに、大きく出す」は、タウンページでも店舗でも、大きな投資となります。投資した広告料、家賃の見返りがあるかないかは、実際にやってみないと結果がでないです。本当に博打です。
最近の動向を見てますと(カギ屋によって様々ですが)、タウンページよりもインターネットからの依頼が多くなったそうです(僕の店はホームページを持っておりませんので、比較はできません)。もっとも、緊急にインターネット検索できないような状況(インロック、キー紛失など)では、タウンページが有用ではあるとのことですが。
安易に、目立つ場所に大きく出すだけでは、売り上げをとることが難しくなりました。錠前技術以外に宣伝技術が求められる時代になったと同時に、インターネットの普及により、宣伝技術が卓越していれば、投資額が少なくても効率のよいビジネスができるようになったということでしょうか。
ただ、宣伝技術のみ卓越し、錠前技術のない「衣のみの天麩羅」のようなカギ屋につかまらないように、消費者にも「見抜く技術」が求められるようになりました。
消費者の「見抜く技術」の重要さは、カギ業界に対してのみではなく、社会全体のあらゆる業界に対していえることですね。
2006年07月26日
外国製のカギについて
外国製のカギについてお話いたします。
僕の店も以前は外国製のカギを扱っておりました。
外国製のカギは、日本製のカギとセキュリティの考え方が違います。カギそのものの防犯性能(耐ピッキング性能、耐破壊性能など)はもちろんですが、それ以上のセキュリティを追求しています。具体的には、キーコピーができない、もしくは極めてキーコピーがしにくくなっています。第三者によってのキーを使用しての犯罪の防止も視野に入れているのです。
これらの性能は、カギ自身が持つ防犯性能プラスアルファになるかと思いますが、あまりにも防犯性能が高すぎると、一旦何かが起こるとかなり不便になります。キーを追加しようとしても容易に追加できないのです。もちろんこれらのカギに交換したときは、お客様は「(キーが容易に追加できないことに関しても)さすが外国製のカギだけあってセキュリティが高い」とおっしゃられるのですが・・・
僕は外国製のカギが嫌いです。別に国粋主義ではありません。カギに関していえば、防犯性、セキュリティの高さにに伴って利便性が反比例します。合鍵1本作るのに大げさな手続きをとらなくてはいけないのが、なにかわざとらしいと思うのです。キーをなくしたりとられたりすると、面倒な手続きをして合鍵を作らねばなりません。というより、合鍵を作ることに面倒な手続きがある上に、時間もかかるのでお客様はキーを紛失されると、取換えする事が多いです。
心理学に<認知的不協和理論>という言葉があります。かいつまんで言えば「苦労して得た結果に価値付けをしたくなる」「高い代償を払った食べ物はきっと美味しい」というものです。カギに関して言えば「これだけキー一本追加にも労力を使うのだから、きっとすばらしいカギに違いない」というところでしょうか。
日本製でも、同じようなシステムをとっているカギが数種類あり、キーを作るために僕の店に来られたりしますが、結局はカードやナンバーを紛失されて作製ができなくて交換するケースが多々あります。確かにお客様の自己責任ですが・・
僕は、合鍵が作りにくいというセキュリティは、余計なセキュリティだと思います。合鍵が作りにくいということが防犯性が高いということにはなりません。確かにキーの本数を管理すべき理由がある場合は、これらのカギは願ってもないよいカギになります。しかし犯罪に関して言えば、キーを盗んだ第三者が合鍵をわざわざ作って犯罪に使うでしょうか?そんなことよりも盗んだキーで扉を開けると考えるほうがよほど自然です。
まだ、西洋に対する崇拝が残っているのでしょうか?もし、同じようにカギ自身の防犯性が高くて、キーコピーに関してセキュリティが高くても、アジアの製品であれば、はたして日本人は買うのでしょうか?
結局は、キーを紛失したり盗まれたりした場合、ほとんどがカギ交換をされます。紛失したキーを作るのみにしても、外国製のカギは不便なのです。
外国製のカギ(日本製のカギでも、合鍵を作りにくいシステムにしているものを含む)を取り付けているお客様は、便利さを犠牲にしてほとんど起こりえない犯罪に対して過剰に反応している、と考えるのは僕だけでしょうか?
現在、僕の店では外国製のカギは扱っておりません。
僕の店も以前は外国製のカギを扱っておりました。
外国製のカギは、日本製のカギとセキュリティの考え方が違います。カギそのものの防犯性能(耐ピッキング性能、耐破壊性能など)はもちろんですが、それ以上のセキュリティを追求しています。具体的には、キーコピーができない、もしくは極めてキーコピーがしにくくなっています。第三者によってのキーを使用しての犯罪の防止も視野に入れているのです。
これらの性能は、カギ自身が持つ防犯性能プラスアルファになるかと思いますが、あまりにも防犯性能が高すぎると、一旦何かが起こるとかなり不便になります。キーを追加しようとしても容易に追加できないのです。もちろんこれらのカギに交換したときは、お客様は「(キーが容易に追加できないことに関しても)さすが外国製のカギだけあってセキュリティが高い」とおっしゃられるのですが・・・
僕は外国製のカギが嫌いです。別に国粋主義ではありません。カギに関していえば、防犯性、セキュリティの高さにに伴って利便性が反比例します。合鍵1本作るのに大げさな手続きをとらなくてはいけないのが、なにかわざとらしいと思うのです。キーをなくしたりとられたりすると、面倒な手続きをして合鍵を作らねばなりません。というより、合鍵を作ることに面倒な手続きがある上に、時間もかかるのでお客様はキーを紛失されると、取換えする事が多いです。
心理学に<認知的不協和理論>という言葉があります。かいつまんで言えば「苦労して得た結果に価値付けをしたくなる」「高い代償を払った食べ物はきっと美味しい」というものです。カギに関して言えば「これだけキー一本追加にも労力を使うのだから、きっとすばらしいカギに違いない」というところでしょうか。
日本製でも、同じようなシステムをとっているカギが数種類あり、キーを作るために僕の店に来られたりしますが、結局はカードやナンバーを紛失されて作製ができなくて交換するケースが多々あります。確かにお客様の自己責任ですが・・
僕は、合鍵が作りにくいというセキュリティは、余計なセキュリティだと思います。合鍵が作りにくいということが防犯性が高いということにはなりません。確かにキーの本数を管理すべき理由がある場合は、これらのカギは願ってもないよいカギになります。しかし犯罪に関して言えば、キーを盗んだ第三者が合鍵をわざわざ作って犯罪に使うでしょうか?そんなことよりも盗んだキーで扉を開けると考えるほうがよほど自然です。
まだ、西洋に対する崇拝が残っているのでしょうか?もし、同じようにカギ自身の防犯性が高くて、キーコピーに関してセキュリティが高くても、アジアの製品であれば、はたして日本人は買うのでしょうか?
結局は、キーを紛失したり盗まれたりした場合、ほとんどがカギ交換をされます。紛失したキーを作るのみにしても、外国製のカギは不便なのです。
外国製のカギ(日本製のカギでも、合鍵を作りにくいシステムにしているものを含む)を取り付けているお客様は、便利さを犠牲にしてほとんど起こりえない犯罪に対して過剰に反応している、と考えるのは僕だけでしょうか?
現在、僕の店では外国製のカギは扱っておりません。
2006年07月24日
現金決済が基本
カギ屋には商売上の鉄則が何個かあります。そのうちのひとつは「現金決済」です。相手が一般のお客様でも業者さんでもです。(もちろん個人的に、または企業に対しての掛売りなどはそのカギ屋の采配によりますが)。
なぜ現金決済かというと、あとになるほどお客さんはお代金を払いたくなくなり、ついには「踏み倒し」という荒技にでます。住所や電話番号をお聞きしていてもなんのその、特に解錠などの代金に関しては、ほとんど原価がかからないのでカギ屋自身もあきらめてしまう場合が多いのです(でも、忘れた頃にひょこっと振込みがあったりするので、わからないものです)。
電話で「お金は持っていますか?」と、カギ屋を始めた当初は聞きづらかったのですが、今では「約・・・円かかりますがよろしいですか?お客様が御満足いただいてからお代金を頂戴いたします」というようになり、お代金をとり損ねることは少なくなりました。
ここから僕の「現金決済」に関する失敗談を紹介します。
彼はリフォーム業者でした。まだカギに関しては経験、知識の少なかったのですが、僕をよく頼ってくれて、又、よく僕のところから何度もカギを買ってくれてお互い持ちつ持たれつの関係でした。
最後に彼が必要としたカギが僕のところには在庫が無く、彼に直接、僕の取引先に引き取りにいってもらって、あとで僕に対して支払いをする約束でした。彼は取引先から「ありがとうございました。助かりました」とわざわざ僕に電話をかけてきました。そのカギは緊急を要するもので、彼は本当に助かったようでした。僕も役に立ってよかったと思いながら、また、彼が注文をくれるのを期待しました。
ある日支払いにまだ来てない彼に電話をかけました。何度かけても電話にでません。
何回目かにかけたときに、いきなり切られました。彼は「信用」という「秘密兵器」を使って支払いを拒否したのです。それ以来、彼とは会っておりません。電話もしておりません。金額的にはそんなに大きくありませんが、もう彼にはカギを売ることはないでしょう。わずかの金額のために彼は「信用」を一瞬にして失ったのです。頼ってきても何も教えませんし、アドバイスもしません。
「人を信じたい」という心と「信じていいのかな」という心の「すりあわせ」が僕の中で始まるきっかけをつくった出来事でした。
以前、会社に勤めていたときに、上司から言われた言葉があります。
「世の中に悪い人はおらへん。でも信用したらあかん」
「信用」は忘れた頃に、仇となって降りかかってくることもあるということを学びました。
「信用」を失うとお互いに得るものはありません。このような思いをお互い二度と味わうことの無いように、商売人として賢くならねばと思いました。
取引先から届いた彼が引き取ったカギの請求書を見ながら・・
なぜ現金決済かというと、あとになるほどお客さんはお代金を払いたくなくなり、ついには「踏み倒し」という荒技にでます。住所や電話番号をお聞きしていてもなんのその、特に解錠などの代金に関しては、ほとんど原価がかからないのでカギ屋自身もあきらめてしまう場合が多いのです(でも、忘れた頃にひょこっと振込みがあったりするので、わからないものです)。
電話で「お金は持っていますか?」と、カギ屋を始めた当初は聞きづらかったのですが、今では「約・・・円かかりますがよろしいですか?お客様が御満足いただいてからお代金を頂戴いたします」というようになり、お代金をとり損ねることは少なくなりました。
ここから僕の「現金決済」に関する失敗談を紹介します。
彼はリフォーム業者でした。まだカギに関しては経験、知識の少なかったのですが、僕をよく頼ってくれて、又、よく僕のところから何度もカギを買ってくれてお互い持ちつ持たれつの関係でした。
最後に彼が必要としたカギが僕のところには在庫が無く、彼に直接、僕の取引先に引き取りにいってもらって、あとで僕に対して支払いをする約束でした。彼は取引先から「ありがとうございました。助かりました」とわざわざ僕に電話をかけてきました。そのカギは緊急を要するもので、彼は本当に助かったようでした。僕も役に立ってよかったと思いながら、また、彼が注文をくれるのを期待しました。
ある日支払いにまだ来てない彼に電話をかけました。何度かけても電話にでません。
何回目かにかけたときに、いきなり切られました。彼は「信用」という「秘密兵器」を使って支払いを拒否したのです。それ以来、彼とは会っておりません。電話もしておりません。金額的にはそんなに大きくありませんが、もう彼にはカギを売ることはないでしょう。わずかの金額のために彼は「信用」を一瞬にして失ったのです。頼ってきても何も教えませんし、アドバイスもしません。
「人を信じたい」という心と「信じていいのかな」という心の「すりあわせ」が僕の中で始まるきっかけをつくった出来事でした。
以前、会社に勤めていたときに、上司から言われた言葉があります。
「世の中に悪い人はおらへん。でも信用したらあかん」
「信用」は忘れた頃に、仇となって降りかかってくることもあるということを学びました。
「信用」を失うとお互いに得るものはありません。このような思いをお互い二度と味わうことの無いように、商売人として賢くならねばと思いました。
取引先から届いた彼が引き取ったカギの請求書を見ながら・・
2006年07月19日
暗黙の了解
カギ屋は他のカギ屋の噂話をしたり悪口を言ったりあまりしません。ただ、カギ屋によっては人間放送局のように好き好んで他のカギ屋の悪口をいうカギ屋もおりますが、そのような人は、往々にしてどのカギ屋からも相手にされておりません。
多くはありませんが、僕は他のカギ屋さんと交流があります。みなさんいい方ばかりです。いろいろと技術的なことを教えていただいたり、工具、カギの貸し借り、売買などをさせていただいております。
僕にはカギの技術の師匠のような方がいらっしゃいます(Jさんとします)。普段は無口で、ちょくちょく僕の店に遊びに来てくださいます。Jさんはカギ業界で長い方でいろいろなことをよくご存知です。ただ、他のカギ屋のことは話題に上れば最低限のことを話されるだけで、悪口はほとんど言わない方です。
ある日、店の宣伝についてのことで相談をさせていただいておりました。僕が店を構える前は無店舗でタウンページに広告をのせていたという話をしたときに、Jさんは僕の店にあるタウンページをめくりはじめました。今、僕の店は広告を出しておりません。ただ一行、僕の店の名前と住所と電話番号が記載されているだけです。
いきなり、タウンページをめくっていたJさんから信じられない言葉が出ました。あるページの特定のカギ屋を指差して「うわぁ、でたーっ!こいつ、悪い奴やねん!!」と笑いながらいうのです。
そのカギ屋は何年も前からかなり大きく掲載されている老舗のカギ屋でした。
確かに詳しい住所を掲載せず、電話番号とシリンダーの紹介や、そのカギ屋のアピールしか書いていないカギ屋でした。「まさかこんな老舗のカギ屋が・・」と思いながらも、神様のようなJさんにこんなことを言わせるそのカギ屋さんに興味を持ちました。
次の日、僕はその老舗のカギ屋の真相を知りたくなり、一般のお客様を装ってカギの取換え見積もりの電話をかけました(ここでのやりとりの内容は伏せさせていただきますが、僕の期待通りの「悪い奴」でした。Jさんがあのようにおっしゃられたのも納得いきました)。
僕の知り合いのカギ屋に、そのカギ屋のことを聞くと、皆さん一様に「悪い奴やねん!!」と笑いながら言うのです。
僕がそのカギ屋さんに電話をかけたということと、その内容をカギ屋の皆さんにお話しすると、皆さん大爆笑されておりました。
カギ屋は悪口を言わないというより、暗黙の了解でカギ屋を評価しているのです。あえて口外するようなことはしないんだと思いました。
僕はカギ屋として、笑いのネタにならないように、清く正しく仕事に邁進する次第でございます。
多くはありませんが、僕は他のカギ屋さんと交流があります。みなさんいい方ばかりです。いろいろと技術的なことを教えていただいたり、工具、カギの貸し借り、売買などをさせていただいております。
僕にはカギの技術の師匠のような方がいらっしゃいます(Jさんとします)。普段は無口で、ちょくちょく僕の店に遊びに来てくださいます。Jさんはカギ業界で長い方でいろいろなことをよくご存知です。ただ、他のカギ屋のことは話題に上れば最低限のことを話されるだけで、悪口はほとんど言わない方です。
ある日、店の宣伝についてのことで相談をさせていただいておりました。僕が店を構える前は無店舗でタウンページに広告をのせていたという話をしたときに、Jさんは僕の店にあるタウンページをめくりはじめました。今、僕の店は広告を出しておりません。ただ一行、僕の店の名前と住所と電話番号が記載されているだけです。
いきなり、タウンページをめくっていたJさんから信じられない言葉が出ました。あるページの特定のカギ屋を指差して「うわぁ、でたーっ!こいつ、悪い奴やねん!!」と笑いながらいうのです。
そのカギ屋は何年も前からかなり大きく掲載されている老舗のカギ屋でした。
確かに詳しい住所を掲載せず、電話番号とシリンダーの紹介や、そのカギ屋のアピールしか書いていないカギ屋でした。「まさかこんな老舗のカギ屋が・・」と思いながらも、神様のようなJさんにこんなことを言わせるそのカギ屋さんに興味を持ちました。
次の日、僕はその老舗のカギ屋の真相を知りたくなり、一般のお客様を装ってカギの取換え見積もりの電話をかけました(ここでのやりとりの内容は伏せさせていただきますが、僕の期待通りの「悪い奴」でした。Jさんがあのようにおっしゃられたのも納得いきました)。
僕の知り合いのカギ屋に、そのカギ屋のことを聞くと、皆さん一様に「悪い奴やねん!!」と笑いながら言うのです。
僕がそのカギ屋さんに電話をかけたということと、その内容をカギ屋の皆さんにお話しすると、皆さん大爆笑されておりました。
カギ屋は悪口を言わないというより、暗黙の了解でカギ屋を評価しているのです。あえて口外するようなことはしないんだと思いました。
僕はカギ屋として、笑いのネタにならないように、清く正しく仕事に邁進する次第でございます。

