2008年01月31日

中国

僕は、大学を卒業した後、某商社に就職しました。大学での専攻が中国語でしたので中国とのビジネスを希望しての就職でした。

2年ほど国内営業をしてから、中国との取引をする部署への配属になりました。僕が配属された部署は、アパレルの部署でした。

配属されてから2ヶ月経たないうちに、中国への出張がありました。いきなりですが数ヶ月の長期出張でした。

中国で生産された生地(布地)に、日本から副資材(ファスナー、ボタンなど)を輸出し、中国で服(紳士服、スーツ、セーター等)に加工して日本に輸入するという仕事でした。


日本の会社に限らず、中国の会社(中国では公司といいます)でも、商品の売り込みをするときは、自社の製品がいかに良い出来であるかをアピールをします。まずはじめに自社商品のサンプルを作ります。その商品の出来不出来で、注文が取れるかどうか決まるのです。

僕の管理していた工場でサンプル品が出来上がったということなので、早速見に行きました。良い出来でした。でもこれは、実際の工場のラインで作られたものではありませんでした。サンプル作製の特別な部屋があり、そこで作られたものでした・・



今回、中国産の冷凍食品に毒物が混じっていて、被害者が多数出ると言う悲しい事故がおこりました。


被害者の方には、誠に失礼かも知れませんが、僕にとっては今回のような事故が今まで起こらなかったことが不思議だと感じています(中国を含む海外でのものの生産に関わった方ならわかっていただけると思います)。人間が、欲望、希望を満たそうとするときには、いろいろな経済活動が発生します。アパレルであれば、生地の生産、縫製、物流、検品等いろいろな人、モノ、システムが動くことになります。食品についてはもっといろいろな人、モノ、システムが動くことになるでしょう。それに加えて 安さ や スピード等のモノに関係のない サービス が求められるのです。物理的に無理が出てきます。

工場のラインではきれいなサンプルが出来ないとわかっていて、上記のサンプル作製の特別の部屋のようなものが存在します。時間が間に合わないから検品をせずに出荷することもあるでしょう。このような小さな 方便 が積み重なって、モノが人の手に届きます。


今回の中国産の冷凍食品に関しては、どのような過程で、毒物が混入したかはわかりません(故意か過失かもわかりません)。どの過程にも責任を求めることが出来ます。製造者である中国の工場、日本の輸入商社、販売店など、もっといえば原料を作っている生産者や、日本側の検査体制にもその責を求めることが出来ます。

今回の冷凍食品の事故は「消費者が望んでいる」という大義名分の下に、高品質、スピード、コストパフォーマンスなど、過剰に反応した業者間の競争によってもたらされたものではないかと僕は思うのです。もちろんこの「大義名分」は責められるものではありません。人間がより快適な生活を望む限り・・

僕は、中国側を擁護するつもりは一切ありませんが、敵を責める事より、原因追求と同時に、次にこのようなことが起こらないように対策することこそ大切だと思います。
posted by ロン at 22:39| 上海 | Comment(0) | TrackBack(0) | カギ屋と関係ない話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/81710804

この記事へのトラックバック