2006年08月19日

決めゼリフ

僕の店はカギ屋ですが、カギ以外にいろいろなことをさせていただいております。そのうちの1つに「洋服のリフォーム」の取次ぎをしております。

かいつまんで言えば、洋服のお直し(長いズボンの丈を短くしたり、ズボンのウエストを大きくしたり小さくしたりします)をうけたまわって、そのうけたまわった服をその筋の職人さんに委託してお直しをします。

もう2年程前になります。

うけたまわったリフォームができあがって店に届き、お客様に「できました」のお電話をさせていただいたときのことです。

「○○様のお宅でしょうか?」
「はい、そうですが。」

電話に出られた方は声からして、男性のご老人でした。

「いつもありがとうございます。××の洋服のリフォームのコーナーですが、いつもお世話になっております」
と決まり言葉のご挨拶をいたしました。

すると、いきなり

「お世話になってないっ!」
といって、ものすごい勢いで電話を切られました。

確かに僕は、洋服のリフォーム以外にはお世話をしたこともなく、うけたまわったときのその方の顔も忘れておりました。

恨みをかうようなことはしておりませんし、なにか粗相をしたのかな、僕の顔が気に入らないのかな、確かに僕は犬に嫌われるので、あのご老人は犬の生まれ変わりだろうか、それとも僕の若さと美貌にに嫉妬しているのかな、とわけのわからない想像をしておりました。

その方の怒りに満ちた「お世話になってないっ!」は、あまりにも怒りがこもっていて、電話の向こうの表情を想像すると笑いがでてきました。俳優だったら間違いなく主演男優賞ものでした。

10分ほどして「あんた、さっき電話してくれた人か?」と、一本の電話がありました。俳優からでした。

訳をお聞きすると、朝から「家のリフォーム」の売り込みの電話がその日は何件もかかってきたそうです。しかもものすごくしつこい売り込みだったということでした。タイミングが悪いことに、僕が電話をかけた時は、特にしつこい売り込みの直後だったのでした。「リフォーム」という言葉が、一人の老人を俳優に変えたのでした。

この俳優は何度も「すまんかったなぁ」と繰り返し、申し訳なさそうに電話を切りました。

この手の勧誘の電話は、僕の店にもしょっちゅうかかってきます。

この手の電話がかかってきて、怒りがこみ上げてきたときの僕の決めゼリフは

「お世話になってないっ!」に決めてます。
posted by ロン at 22:54| 上海 | Comment(0) | TrackBack(1) | 珍客日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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